第8回   
古き良きアメリカと
東海岸の灯台を訪ねる旅
 
 
2005/10/5(水)〜12(水)  

2005年10月5日、正午、成田空港にて、アメリカ東海岸灯台巡りツアーの幕が上がる。
今回は、マサチューセッツニューハンプシャー
そしてメインの各州に点 在する10箇所あまりの灯台を目指す。

メンバーは、6年間ニュージャージーに在住 された経験のあるNM・KM御夫妻、
通販のお客様だったことからツアーを知り京都から参加されたNN・SN御夫妻、
絵画がご趣味のMK・HK御夫妻、
灯台と鉄道の熱狂 的ファンで滋賀から参加されたHOさん(♂)、
翻訳家でツアー常連客のHSさん( ♀)、
出発の2週間前に店を訪れて急遽参加を決めたというTSさん(♂)、
そして旅の仕掛け人でライトハウス・キーパーのオーナーYYさん、
アメリカの灯台を撮 り続ける写真家で世話役のFMさん(♂)、
オレゴン在住中に灯台好きになった同 じく世話役のYF(♀)=私の計12名である。
年齢層も30代から70代までと幅広い 。

唯一の共通点は、シロウトの手作りツアーに参加する勇気と灯台への情熱だろうか?
「一週間のツアーが無事に終わりますように!」
祈るような気持ちと美し い灯台達に出会う期待をいっぱい乗せ、
ユナイテッド航空が離陸。いざ経由地の シカゴへ…。



1日目:成田(空路)→ボストン→コンコード、コロニアル・イン泊
夕方到着したボストン空港にて、大型のバンと乗用車の2台をレンタカーし、
独立戦争の町"コンコード"に位置する宿、コロニアル・インへ向かう。

ここで、早速一回目のアクシデント発生!
レンタカーの契約書がカウンターから2、3m余りの間にドロン!
と消えちゃったのです。
一行のあまりに情けない動揺ぶりに、
「再発行しようか?」と愛の手を伸ばすレンタカー会社のお姉さま。
(犯人の方、今からでもいいので自首しましょうネ!)


コロニアル・インは独立戦争当時、兵士が運ばれた病院であり、
兵器の貯蔵庫で もあったという歴史的な建造物だ。
18世紀という時代の風格を漂わせる
温かみのあるインテリアに旅の疲れが癒される。

少し遅いディナーはレトロなホテルのレストランにて。
旅の始まりを祝って盛大にシャンパンで乾杯!
ほろ酔い気分の自己紹介で盛り上がる。
そこに、一本後の便でボストンに到着したTSさんが、
自己紹介にも滑り込みセーフで現れる。
こうして12人が無事に揃い、初日はお開き。

夜11時近く、N夫妻とともにコテージ風の離れにある部屋に戻り、ふと考える。
ここで、たくさんの兵士達が血を流したんだなぁ…。
とすると、無念の死を遂げた 人たちの怨念がこの家にも…?
おっと、イケナイ、イケナイ!余計な考えはやめ て、寝てしまおう!


コロニアル・イン


2日目: コンコード→オールド・ノース・ブリッジ
        →若草物語の作者オルコットの家(オ ーチャードハウス)見学
           →ボストン観光→ケープコッド、ライトハウス・イン泊

時差ぼけで早起きをしてコンコードを散歩した人、
ぎりぎりまで眠って町を見ら れなかった人、朝食に遅刻する人…
早速それぞれの個性をアピールするメンバー が向かうは、
独立戦争の戦場となったオールド・ノース・ブリッジ

意外にも小 さな橋に拍子抜けした正直者の皆さんは、
周りの紅葉の方にばかり夢中。
黄色か ら赤の微妙なグラデーションが本当に美しい。
米国版の戦場ヶ原は、
その歴史に 似合わず何とも優しい表情を見せていた。

オールド・ノース・ブリッジ


ボストンの町並み
癒し系なコンコードの町を背に、
次に 一行が向かうのはマサチューセッツ州の州都ボストン
ブランド店の並ぶボス トンの銀座、ニューベリー通り。
古い町並みと石畳が情緒のあるビーコンヒル。
ビルの谷間に広がる美しい公園。
ボストンは都会の華やかさはあるものの、
ゴミ ゴミとした印象はなく、
しっとりとした趣きと知的な雰囲気が魅力的な街だ。
路地や建物のそれぞれに表情があり、
写真を撮りながら散策しているだけでも飽き ることがない。

 お腹が空くことはあるが…。「ICE CREAM」の文字に反応した私とHS さんをきっかけに、カフェで一休みすることに。
 シングルサイズのアイスクリー ムを頼んだはずが、かなりのボリューム。これぞ、アメリカンサイズ!

その後、 ハーバード大学、
MITの風格ある建物を見学して、
少々頭が良くなったような気分になりながら、
本日の宿、ライトハウス・インのある
マサチューセッツ南部の観光地、ケープコッドへ向かう。


ライトハウス・インは、
その名の通り灯台を宿泊施設にしたもの。
ホテルのフロ ントやレストランのあるメインハウスが
ウェスト・デニス灯台と官舎そのものなのだ。

陽もすっかり落ちた頃、
灯台の優しい光の歓迎を受けながらの到着。
それにしても、陽が落ちた後の
道路標識は見づらくて、苦労しました。。。
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ライトハウス・イン


ライトハウス・インでの夕食
今夜のメニューは、皆さんお待ちかねのロブスター。
食べ方の見本を親切なウェ イトレスが見せてくれる。
二日目ということで、アメリカの食事の
(非)常識を 学び始めた皆さん。
このころから、2〜3人のシェア形式での注文が主流に…。
そ れにしても、HSさん、TSさん、FMさん。
4人でシェアしたのに食べきれなかった
あのパスタは忘れられない思い出ですよね。。。
「4次元に続く皿」とでも命名しましょうか(笑)


3日目:歴史の町プリマス、メイフラワー号、昼食→プロヴィンスタウン→ライトハウスイン泊

海岸線を昇る朝日は最高でした…
と一人称で言えないところがツライ。
皆さんが 早起きして灯台から見える朝日を
満喫している頃、私は夢の中だったのです。く やしーーっ!!


しかも、この日を境に見事なほど天気は下り坂に…。
清々しい快晴の朝、ライトハウスインから見える海を眺めていると、
灯台を宿泊施設化するという発想に脱 帽する。
そこには厳しい灯台守の生活を感じさせるものは無く、
忙しい日常を逸 脱した平和で穏やかな時間が流れている。
長い間、安全を守り続けてくれた灯台を
今度は私達が守らなければならない
という恩返しのような気持ちがそこにはあるような気がする。
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海岸線を昇る朝日

 清々しい快晴の朝のバイキングのメニューはフレンチトースト、パ ンケーキ、シリアルと種類も豊富でうろうろしてしまう。
 しかし、朝食に時間を かけている場合ではないのだ。

本日のメインコースは、なんといっても歴史の町 プリマス
1620年、歴史上初めてイギリスからアメリカ大陸に
移住する人々を乗 せたメイフラワー号が到着した町だ。

まずは、メイフラワー号を再現しているミ ュージアムへ。
船の中には、使用していた料理器具、暖房器具、
わらを敷いたよ うな小さなベッドなど、
当時の船上での生活が忠実に再現されており、
まるでタ イムスリップしたかのような気分になる。
当時の服装を身につけた蝋人形も良く できている…
と思いきや、乗組員に扮している「生身の」人々でしたね!

ガイド さんによると、小船とも言えるような貧弱な船に、
百人以上の人々が乗り、寝食 を共にしていたというから驚きである。
ミュージアムを後にしながら、メンバーの中にも
メイフラワー号の乗客モデル風の人がいるという話題で盛り上がる。NN さんのことだ。
そういえば、雰囲気がなんとなく「メイフラワー号」してる…? (どういう意味?)

 ランチはプリマスのジョン・カーバー・インのレストラン。
 ここでは、ロブスターチャウダーとやらにチャレンジ!
 薄いオレンジ色をしたロ ブスターチャウダーは濃厚だけど、癖になる美味しさ。
 しかし、またしても四次元に続く皿が…。それは、限りなく牛や馬の心境に近づくことのできるスピナッ チサラダだった。


レンズの隣で記念撮影
さて、本日最初の灯台は、特別に内部観覧を許されているハイランド灯台
ここは、絵心のあるMKさんの好きなホッパーも描いた灯台。
草原に佇むシックで穏やかな灯台という印象。
灯台内の急な螺旋階段をレンズ室まで登りつめると、
見晴らしの良い景色が広がる。
レンズは最新式のものを使っているようで、
意外に小さくて光も目に優しい。
途中、年配の現地ガイドが灯台の歴史について説明してくれる。
熱心に耳を傾ける皆さん。
そして、熱心に眠る誰かさん。今回のツアーの居眠り常習犯だ。
ガイドさんも「私の話が退屈で眠くなるのかしら…。」
と冗談半分に笑っている。
その目が怒っていたのは気のせいだろうか。

ハイランド灯台&ライトハウスラバーズダンサーズ♪


本日二つ目の 灯台はナウセット灯台
なんだか珍しい灯台ですね〜と思いきや、
メンテナンス中でレンズ部分から下が幕で覆われていたのだった。残念!

本来のナウセット灯台

気を取り直して、ご近所のスリーシスターズへ。
これまた、不思議な灯台。
中央のこじんまりした灯台以外は、
昔あったものを再現している偽者。
それも全体が再現されているなら いいのだが、
レンズ部分が省かれているという奇妙な姿。
3つあわせてスリーシスターズという訳だ。


何を隠そうこの日は、
ツアー最後の「太陽の見えた日」。
澄みわたるような真っ青な空と海が気持ちよく、
開放的な気分になる。
浜辺に降りたメンバーも一時のおしゃべりに花を咲かす。

スリーシスターズ灯台
上:19世紀 下:現在

 さて、そろそろお腹も空いてきた頃、プロヴィンスタウンへ移動。
 ケープコッド の半島の先端に位置するプロヴィンスタウンは「ゲイの町」、「アーティストの 町」として有名である。
 なるほど、メインストリートにはたくさんのギャラリー が立ち並び、アーティスティックな雰囲気が漂う。
 夕食前の1時間あまりを、ギャ ラリー巡り、ショッピング、スケッチなど、それぞれ充実した時間をすごす。
 ゲイカップルの数を数えていた人もいたようだが…。

 メインストリート沿いのシー フードレストランで店ご自慢のロブスターを堪能した後は、今夜の酒盛りのため の買出しへ!
 旅先で、おみやげ屋の数倍も楽しいのはその国の文化が凝縮されて いるスーパーマーケットではないだろうか。
 特にアメリカのスーパーはでっかくて品数が豊富。それぞれ物色しているうちに、小一時間があっという間に過ぎてゆく。

 今夜の酒盛りの会場は、M夫妻、TSさん、HSさん、HOさん、FMさん、そして 私の住むコテージの居間。ようこそ、我が家へ!
 暖炉がある居心地の良いリビン グにテーブルを囲み、地ビールのサミュエル・アダムスを飲みながら大いに盛り上がる面々。
 TSさんの関西弁ネタ、プロヴィンスタウンのゲイになぜか異様なほど興奮していたHSさんの話題、
 ツアーの詳細の案内が遅かったためにYYさんを詐欺だと疑いかけていたというHOさん。
 様々な本音が顔を出す賑やかな宴となった。今日 も内容の濃〜い一日でした。おやすみなさい!


サミュエル・アダムス!


4日目:ライトハウスデポにてランチ+買い物
                   →ケープネディック灯台
                          →ポートランド 、ダブルツリーイン泊

 愛しの我が家、ライトハウス・インに後ろ髪を引かれつつ、メイン州ライトハ ウスデポへ出発。
 今日は雨、雨、雨。そして、風に泣く日となった。特にドライ バーにはきつい豪雨の中の長距離運転。
 少し遅れてライトハウスデポに到着すると、ランチを共にするはずのアメリカ人灯台ツアーメンバーは
 急な予定変更のためすでにご退散。 残念ながらのすれ違いとなる。


 ライトハウスデポに用意されていたサンドイッチのランチを済ますと、不思議な光景が目に入る。
 メンバーほぼ 全員が、ライトハウスデポのオリジナルシャツの売り場に群がっていたのだ。
 皆御揃いであのシャツを着るつもりなのだろうか…と冷めた目で見つめる私を尻目に、
 好きな色とサイズのシャツを無事に購入した皆さんはご満悦の様子。良かっ たですね♪

 天候の悪さも手伝って、ライトハウスデポでの買い物は2、3時間にわたった。
 中でも一番人気は灯台の写真カレンダーだったようだ。
 中には、買い物かごから溢 れんばかりの品物を購入する姿も…。買い物は楽しいもの。
 しかし、、買い物を していると時間と旅の目的を忘れそうになるからいけない。

 そう、これは「灯台巡りツアー」。常に原点に戻らなければ! 旅も半ばに差し掛かり、皆さんの正体が現れ始めたのはこの頃。
 車内で「寒い」 だの「暑い」だの我侭放題の方。方向音痴の方。しゃべり通しの方。 …楽しいメンバーで大変よろしい。



昼食後、店長さんからプレゼントが!

ライトハウスデポ

止む気配すらない雨の中を向かうは、
ケープネディック灯
海を臨む素敵な住宅街を抜けると、
ナブルライトが愛称のケープネディック灯台が顔を出す。
陸からほんの数10m先にぽっかりと
浮かぶ小島に建つ姿は、なんとも愛らしい 。
島のグリーンと手前にある小屋の
赤のコントラストがその雰囲気を演出している。

いつもは空を飛び回っているであろうカモメ達が、
島を取り囲むかのように、じっと佇んでいる姿も印象的だ。
霧のケープネディックの美しさに
言葉を奪われたのか、暫し静まり返る車内。

しかし、外は大雨と突風。やむを得ず、
順番に助手席の窓から撮影をする。
必死に乗り出して撮影する姿を見ながら、
皆さんの灯台マニアぶりにあきれ…イヤ、感動する。
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  ケープネディック灯台
 晴れていたら絶景かもしれない場所。
 でも、この天候だからこそ見ることのできる最も灯台らしい姿−凛々しくて、頼もしくて、健気な灯台−がそこにはあった。

 ポートランドに到着後のディナーは、久しぶりの日本食。
 「どこか変だよ、アメ リカの日本食!」体験を皆さんで出来るとは、実に楽しい。
 まずは、酢の物を頼 んだK夫妻。それが酢の物だと気付くまで数分はかかった。
 何しろ大皿でしたから !とりあえず、寿司は合格。美味でした。
 ポートランドでは、現地在住でFMさんの知り合いのAさんが合流。明日も街案内をしてくれるという。楽しみだ!




5日目:パブリックマーケット、ブランチ→ポートランドの街散策
         →ポートランドヘッド灯台→ケープエリザベス灯台
             →スプリング・ポイント・レッジ灯台→ロックラン ド、サモセットリゾート泊

 朝からAさんの案内でポートランドの街をドライブして回る。
 相変わらず天気は雨 。しかし、ポートランドの町には雨が似合う。
 港町特有の粗雑さは無く、レンガ造りの建物や石畳の路地がしっとりとした雰囲気を作っている。
 小一時間もあれ ばすべて回れるほどの小さなダウンタウン。

 そこに位置するパブリックマーケッ トでブランチを取ることになる。
 そろそろホテルの朝食のベーコンエッグにも飽きてきたころだ。
 オープンと同時に入ったせいで、お目当てのスープ屋がまだ準備中の様子。

 スープが温まるまでの間、マーケット内の食材や品物を物色して回る。
 カラフルな野菜達、大きな肉の塊、種類の豊富なチーズの山。
 マーケットならでは光景だが、いわゆる市場に比べるとちょっとお洒落で控えめな印象。
 10月のメイン州の気温は、東京の12月程度。冷えた体にスープが沁みるように美味しい。

 残念ながら、楽しみにしていた灯台クルーズは悪天候のため欠航され、ポー トランドの街歩きへと予定変更となる。
 予想外に財布の紐がゆるんでしまったのでは…!? 天気が悪くとも、やはり目的は「灯台巡り」。忘れてはいけません!
 (と、自分 に言い聞かせる)この灯台に行かずして、東海岸の灯台巡りは成り立たない。

そう、その灯台こそが、ポートランドヘッド灯台だ。
岬にそびえ建つ真っ白な灯台が
雄大な景色に調和したその姿を見れば、
多くのアーティストから愛され描かれ たことが納得できる。
「優雅」という言葉がぴったりとくる灯台だ。

皆さん雨にも風にも負けずに、
さまざまな角度からの撮影に熱が入る。
ミュージアムで見た灯台の歴史からも、
長い年月をかけてポートランドヘッドを
今に至るまで維持してきた人々の努力と想いがヒシヒシと感じられた。
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ポートランドヘッド灯台

ポートランドヘッドをバックに皆さんで

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ケープ・エリザベス灯台
次なるターゲットは、ケープ・エリザベス灯台
私有化されているため中を見ることはできなかったが、
外からでもかなりの豪邸だということがわかる。

ケープ ・エリザベスという名の似合う灯台は、
「ちょっと気取ったハイクラスのアメリ カ人女性」という印象。

一行が次に向かうのは、エリザベス嬢とは対照的な、
スプリング・ポイント・レ ッジ灯台だ。
不器用な彼(敢えてそう呼ばせてもらいたい)
はハンサムではないが、非常に味がある。
凛々しいその姿に、荒々しいメインの風と波がなんと似合 うのだろう。

防波堤の岩の道をよろけながら歩いてゆくと、
突端に佇む彼が霧の 中でぼおっと赤い光を放っている。
小柄なHKさんが隙間に落ちてしまいそう…
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スプリング・ポイント・レ ッジ灯台

そんな心配もつかの間、灯台魂の宿る皆さんは、
すさまじい風の吹く中も負けず、
シャッターを切り、灯台に触れ、大いに楽しんでいましたね!

今夜の宿はロック ランドに位置する
リゾートホテル、サモセット・リゾート
ロビーに入ると、セ ンスの良いインテリアと照明が迎えてくれる。
高級感が有りながら、とても居心地の良いリゾートホテルといった感じ。
さすがにディナーも最高級レベル。
お肉 もシーフードもワインを飲みながらの会話も、
すべてが美味しかった♪

サモセット・リゾートでの夕食


6日目:ブレイク・ウォーター灯台→灯台博物館→ワイエス美術館
           →アンティークショッ プ→マーシャル・ポイント灯台
                  →フリーポート(アウトレット)→ポーツマス・イン泊

 サモセット・リゾート内には1.6キロの長い防波堤の突端に建つ灯台がある。
 その名もロックランド・ブレイク・ウォーター灯台。宿から歩いてゆける距離とはいえ、
 8時過ぎにはパッキングを済ませてロビーに集合しなければならないため、
 防波堤を往復するとなるとかなりのハードスケジュールとなる。
 しかし、いつも早起きのN夫妻やK夫妻から早朝散歩の話を聞かされて
 くやしい思いをしてきた私としては、外すわけにはいかない。
 朝6時すぎ、薄暗い中で真っ白く浮き上がるゴルフ場のバンカーを横目に、灯台への小道を歩く。

 海岸沿いに出ると、海中を幅2、3mほどの防波堤が真っ直ぐに伸びている。
 防波堤の先端に佇む灯台は、形が全 くわからないほど遠い。
 気が遠くなる気持ちを抑えて歩き出す。冷たい風の吹く 防波堤に容赦なく波が打ち寄せる。
 いくら歩いても灯台は近づいてこない。
 歩き続ければ必ず到着するというだけのことなのに、とてつもなく無謀なことをしているような気分になる。
 ふと、後ろを見ると人影が…。メンバーの誰かが来ている。TSさんのようだ。
 少しほっとして、気を取り直して歩き続けると、やがて灯台が輪郭を見せ始める。
 どうやら、灯台の手前に官舎があるようだ。
ぼんやりとした灯台の光が
少しずつ明るさと強さを増してゆく。文字通り「希望の光」。
光に誘われるように足取りも軽くなり、
空もいつの間にか明るくなっている。

長い距離を歩いてやっと出会えた気持ちからだろうか。
「おお!ブレイク・ウォータ ー!」
と呼びかけたくなるほど、愛しく思えたのは…。
それとも、私がロマンチ ストなせいだろうか。
TSさんの「健気でいじらしい灯台」
という表現がぴったりで印象的だった。
少し後から、M夫妻、N夫妻、K夫妻が到着し、
皆で大はしゃぎし ながら写真を撮りあう。
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ロックランド・ブレイク・ウォーター灯台
 充実した早朝の時間をすごしたせいか、皆さん少々疲れ気味のご様子。
 4km近い朝の散歩はToo Muchでしたか? 午前中のハイライトは、灯台博物館見学。
 ライトハウス・ラバーズのために、特別ガイド付。
 人の良さそ うなボランティアガイドのおじさんの説明を饒舌なMNさんが通訳する。
 歴代のレ ンズ、レンズを発光させる機械、船の舵や人命救助道具など、興味深い展示品ばかりだ。
 江ノ島灯台博物館ができる日もそう遠くない…!?

 メンバーの皆さんの意見を取り入れて、ワイエス美術館アンティークショップ を経由してからフリーポートに行くこととなる。
 残念ながら短時間だったが、ワイエス美術館もアンティークショップも、この旅の掘り出し物として後を引くこ と間違いなし。
 次回は ゆっくり訪れてみたいものだ。

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マーシャ ル・ポイント灯台 
さて、この旅の最後を締めくくる灯台、
マーシャル・ポイント灯台を忘れてはいけない。
映画『フォレスト・ガンプ』がマラソンの
折り返し地点にした灯台としても有名だ。

真っ白い官舎とその庭先の小さな灯台が
気さくな表情で迎えてくれた。
友達の家に遊びに来たような親しみやすさが、
人気の理由だろうか。
灯台を背景にした集合写真も今回が最後。
旅の疲れが顔に表れないように「スマイル!」

 次に訪れたLLビーン発祥の地として有名なフリーポートは、アウトレットの町。
 個別の民家のような建物がそれぞれのブランド店となっている。

 フリーポートで の自由行動を終えると、一行は本日の宿のあるポーツマスへ移動。
 最後の晩餐はポーツマスブリューリー(ビヤガーデン)で、地ビールを堪能する。
 ライトハウ スデポのドン・ディバイン氏も合流し、旅のエピソードを肴に盛り上がる。
 旅の疲れとアルコールのせいか、うとうとと居眠りを始める人が続出!
 寝顔をカメラ に収められなかったのが実に残念でした。。。こうして、穏やかな一日の終わり がやってきた。
 …そう締めくくりたいところだが、実はここからアクシデントが 連発したのだ。

 まずは、宿までの帰り道に迷い、彷徨ったあげくに、延々とハイウェイを走る羽目に!
 引き返して、やっとのことで宿が見えてきたと思ったその時!
 かけていたラジオがぷつっという鈍い音と共に消れ、街全体が暗くなった様子。
 なんと、大雨の影響で停電になってしまったのだ。モーテルのロビーに集まり、宿のおかみさんの話に耳を傾ける一行。
 緊急用の電気もなく、ろうそくの使用は防災法で禁止されているとか…。

 皆が少々落胆ぎみのところに、運転手をし ていたYYさんが遅れて入ってくる。
 そして、第一声、「缶ビールまだ残ってたっ け?」…停電の中、送別会でパーッとやろうとしていたのだ。
 YYさんのパワーに は、恐れ入りました(笑)。結局、ある人は携帯電話で明かりを取りながら、
 ある人はなすすべも無く真っ暗闇の中手探りで、それぞれ床に就いたのである。
 こうして、ツアー最後の劇的な夜は更けていった。
 暗闇に光を射すという灯台の果たしてきた重要な役割を肌で感じ、小さな船で新大陸に向かった先人に想いを馳せながら…。




7日目:ボストン(空路)→シカゴ(空路)→成田
停電の夜が明けると、
一週間の旅が幕を閉じる朝だった。
ほとんど初対面の12人が集まって、
全員で作り上げた一週間の旅。

初の海外ツア ーという試みは、完璧とはいかないまでも、
「個性豊かな皆さん」という味付け のおかげで、
修学旅行のように賑やかで楽しい思い出を残してくれた。
同じ感動 を共有するツアーの良さを
あらためて感じることができた。

又是非皆さんと共に 海外ツアーを実現したいものです。
名残惜しい想いを胸に…。さよなら、アメリカと灯台達!
紀行文 by ライトハウスラバーズFさん photo by ライトハウスラバーズFさん、Nさん、Mさん、Oさん 




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