第21回 灯台めぐりの旅〜道南編〜
    2014年10月17日〜19日


灯台めぐりの旅〜道南編〜 思い出ランキング
「ライトハウスラバーズ」は、江の島で灯台グッズショップを経営する山口氏を発起人灯台めぐりの旅〜道南編〜 思い出ランキングています。前回は台湾の灯台をめぐりましたが、今回は昨年の10月に北海道(道南)の灯台めぐりに行ってきましたのでご報告いたします。今回訪問した灯台は、下記の6つです。

○白神岬灯台
初点灯:1888年9月  灯器:4等閃光レンズ 灯質:単閃白赤互光 毎30秒に白1閃光赤1閃光 灯台表の番号が0001番の灯台。以前は頭の灯篭のところが赤く塗られていたんだけど、配色に規定ができたということで、現在は白い頭になりました。


○葛登支岬灯台
初点灯:1885年12月 灯器:3等大型明暗レンズ 灯質:単明暗白光 明6秒暗4秒 首を長くして海を眺めているような表情の灯台。この灯台の魅力はなんといっても希少なレンズ!

○汐首岬灯台
初点灯:1893年11月 灯器:40cmビーコン 灯質:群閃白光毎20秒に2閃光 灯篭がなくて頭が平らなのが面白い。昭和33年に燈台部の工場でつくられた灯器をつかっています。


○恵山岬灯台
初点灯:1890年11月 灯器:3等大型不動レンズ  等明暗白光 明3秒 暗3秒 ロケーションが最高。水平線に向かって芝生に堂々と立つ灯台。灯台資料館のピカリン館では灯台について様々なことが学べます。


○日浦岬灯台
初点灯:1951年3月 灯器:300mm 群明暗白赤光 明6秒暗2秒明2秒暗2秒(赤光は分孤) 崖に立つ灯台。レンズには分孤の赤い線が入っていて岩礁を知らせてくれます。


○砂埼灯台
初点灯:1952年12月 灯器:300mm 単閃白光 毎4秒に1閃光 駒ケ岳を背負うように、広い平野にポツンと立っています。木製の電信柱が灯台に続いている景色も心懐かしい感じ。



この旅は岬から岬へ場所を移すなか、灯台への愛を深め、灯台についての知識を蓄え、人々と交流し、名産品に舌鼓を打つ。お酒の力も借りつつ日ごろのストレスを風に飛ばす。そんな2泊3日の旅。灯器が好きな人もあれば、灯台の写真を撮るのが目的な人もいる。総勢26名の珍道中。これまでの旅行記は時系列に沿って書くことが多かったのですが、今回は面白かった思い出をランキング形式で記載したいと思います。
ではさっそく「ライトハウスラバーズ道南の旅2014 面白かったことベスト5!」を発表します。

まずは第5位〜〜〜!ジャン♪

「イカ刺しで朝食を?!それが函館の常識」
函館のグルメといえば新鮮なイカです。実際、いたるところにイカがいます。 たとえば観光地名物の顔ハメもイカ。私の夫もイカになれてこんなに嬉しそう!


そして函館空港で押したスタンプもイカ!いたるところにイカ。 こんなにイカを押してくるんだから、夕食のメインディッシュはイカ刺しだろうと思っていたら・・・、なんと函館でイカ刺しをディナーで食べるのは邪道だそうです。というのもイカ漁が行われるのは夜間。函館の海はイカ釣り漁船の明かりで星空のように美しく輝きます。そして水揚げされるのは早朝。となれば取れたてのイカ刺しを食べるタイミングは朝食が最適とのこと。実際、ホテルの朝食ビュッフェでイカ刺しが山の様に盛られていました。ハムエッグや、トースト、コーヒーと共に、平然とした面持ちで並ぶイカの山盛り。すこし違和感を覚えますが、これが意表を突くおいしさでした。東京では、一切れ一切れ大事に味わうところですが、ここではお箸でつかめるだけ掴んで、口の中をイカ刺しでいっぱいに。ショウガ醤油がきいて、白いごはんがいくらでも食べられそうでした。新鮮なイカはまだ半透明。このみずみずしさはさわやかな朝にぴったりかも?!「朝からイカ」が函館の常識みたいです。

ではつづいて第4位は〜〜〜ジャジャン!

「山口代表ノーパン事件」
もうこのタイトルだけで充分かもしれません。ライトハウスラバーズの旅は、毎回なにか事件が起こります。たとえば台湾に行くのにパスポート忘れちゃう玉ちゃんっていう人がいたりね、迷子になっちゃう人がいたりね。
今回は代表がやってくれました。それは最終日の宴会時。みんな温泉に入って浴衣で宴会場に集まってきたときです。今回の旅の締めくくりとして、堀さんが旅を振り返って、心温まるお話をされていたとき、隣に座っていた山口さんが私にささやきました。
「まゆうちゃん、僕、パンツはくの忘れてきちゃった・・・」
「!?」
私の脳裏によぎったのは二つのこと。
1、この人、パンツを履き忘れるほど老人性○○が進行してしまったのか。
2、もしくは露出狂か?変態なのか?
でもどうやら、本当にうっかりと忘れてきてしまったようです。温泉にはいって、それまで履いていたパンツは履きたくなくて、部屋に帰ってから履こうと思っていたら忘れたとのこと。宴会場でアグラをかいたら、なにやら自由すぎる下半身に驚いたとのこと。
堀さんのお話が終わり、山口氏が自ら乾杯の発声をする際、言い訳しながらその話をカミングアウトし、締りのない乾杯をしたあとそそくさとパンツを履きに部屋に戻っていきました。そろそろこの会の代表も次世代に引き継がなくてはならないなと思った瞬間でした。


ではベスト3の発表です。第3位は!

「灯台を美しく撮ろう。山崎さんの写真講座開催」
今回の旅は写真家の山崎猛さんもご参加になりました。山崎さんといえば「日本の灯台」という素晴らしい写真集を出版されていて、灯台の魅力を撮り尽くしていらっしゃる方です。
私は山崎さんが撮影する場所を後からハイエナのようについて回り、同じ場所から撮影してみました。するとどうでしょう。プロと同じ画角で撮るのでカッコイイ写真が撮れるのです!さらに山崎さんは快く、灯台を美しく撮るポイントも教えてくださいました。

ポイント1
逆光のときはチラリと太陽をのぞかせろ!
灯台を撮影する際、足場が悪かったり木々がうっそうと生えていたりして、撮影場所が限られている場合があります。タイミングによってはその場所から撮ると逆光になってしまって写真が真っ暗。なんてことも。そんな時は、逆光を逆手にとって神秘的な写真を撮れるチャンス。灯台の塔や、灯篭の部分から太陽がチラリとのぞくアングルを探して撮ると灯台のシルエットが光で浮かびあがり、面白いフレアがでることも。いつもとは違った雰囲気の写真が撮れます。


ポイント2
眠たいなんて言わせない。灯台をとるなら夜明けを狙え!
灯台を撮影するには夜明け前に目を覚まし、日の出とともに写真を撮るべきだということです。まだあたりはうす暗く灯台が灯っている時間、刻一刻と空の色が移ろい、太陽が水平線から顔を出す瞬間。この時こそ灯台を撮影するのにうってつけだということです。私なりに頑張って早起きし、6時半ごろ表に出たら、すでに山崎さんは撮影を終えて戻ってくるところでした。もう4時ごろから起きていたようです。脱帽。かないません。

だんだん佳境に入ってきました。第2位の発表です。

「カッコよかった!灯台守6人の侍」
今回の旅に同行いただいたのは、灯台守をしていらっしゃった堀さんや玉宮さん、技術職についていらっしゃった宮崎さん、現在日本航路標識協会にお勤めされている大谷さん、そして海上保安庁の現役でいらっしゃる林さんと大山さん。
この6名の方々と一緒に灯台めぐりをしているので、とっても内容が濃い見学をすることができました。とくに恵山岬灯台では堀さんが当時の灯台や、灯台守の生活、そして灯台守という立場だからこそ経験された甘くほろ苦い初恋のお話もしてくださいました。
一番印象に残ったお話は、近くに住む子どもたちが歌ってくれたという「燈台もり」という歌のお話。本当は歌詞を掲載したいのですが、著作権にひっかかるといけないので、歌詞の概要だけ。
「月が凍るような寒い海でも、燈台を守る人がいて その尊さよ 愛のこころよ 優しさよ そのまことが海を照らす」という内容です。
その歌を歌ってくれた子どもたちのお父さんはみんな漁師で、子どもたちは灯台のありがたさについてよく知っていた。だからこそその歌声には心がこもっていて、聴いていて涙がでてくる歌だった。と、堀さんのお話を聞いて、私も感動で心が震えました。

宮崎さんは灯室でレンズや灯器について技術的なお話をしてくださいました。とくに電球のフィラメントを水平線に合わせる際の調整の仕方など、灯台マニアとしては涎がでるほどの興味深いお話でした。

そして大谷さんは現役さながら直梯子を軽やかに登り、その颯爽とした姿で隠れファンを増やしていました。(そのことを指摘すると照れたようにはにかんでいらっしゃいましたが、まんざらでもなかったはずです。)

感謝の気持ちでいっぱいなのは、林さんと大山さんのおかげで、どの灯台のレンズにも対面することができました。とくに砂埼灯台は今後LED化されてしまうことを知り、感慨深いものがありました。これまで使われていた白熱球のガラスやフィラメントの造形の美しいこと。


必要最小限の機能美でありながら芸術作品のようです。そして遠くから灯台に向かってひかれている木の電信柱。灯台めぐりをしているときに灯台へ導いてくれこともある存在。これまで灯台に電気を供給していたこの電信柱もソーラーパネルへ役目を渡し、今後撤去されるだろうということでした。切ない気持になりながらも、いままだあるうちにここにこれてよかったと心から思いました。

玉宮さんは相変わらずの無邪気さで、海で流木を拾い、仙人のようにして杖にして歩いていました。足腰しっかりしてるくせに。スターウォーズにでてくるヨーダみたいでした。帰りの空港で機内持ち込みできないと断られそうになりましたが、「わたしゃこの杖がないと歩くことができないんじゃ」と迫真の演技をみせ、特別に許可してもらっていました。本当に玉ちゃんたら。



そしてついに第1位です!ジャーーーーン!!!

「灯台のレンズはやっぱりすごくおもしろい」
私は灯台マニアのなかでも、レンズフェチという分野に分類されます。なのでこの順位は私の個人的主観でしかないのですがご容赦ください。
今回出会った灯台のレンズの中で、とくに心惹かれたのは葛登支岬灯台のレンズでした。
不動レンズのような形状なのに回転させると明滅しているように見えるんです。レンズを観察してみると、12面になっていてまん中のレンズがいわゆる不動レンズよりもガラスにカーブがついている。凸レンズのようになっているんです。フランスのバルビエ製。これはフランスで灯台めぐりしていたときもよく見にする有名なメーカー。外からみると、閃光が走るというより、仏像の光背(放射光)が水平に回っているように見えます。レンズ好きの間では閃光レンズに人気が集まりますが、このレンズは一見不動レンズながら12面がキラキラと宝石のように輝き、本当に魅力的なレンズでした。大きなグリーンダイヤモンドみたいだったなぁ。それにしても狭い灯室でちゃんとレンズを写すには、広角レンズを買わなくてはと思いました。写真はレンズを下から撮ったショットです。


ライトハウスラバーズの灯台めぐりは、毎回楽しい思い出で彩られます。矢継ぎ早に「思い出ランキング」を書かせていただきましたが、この和気あいあいとした楽しい旅の雰囲気を読み取っていただくことはできましたでしょうか。
私の職業はまったく海事には関係なく、音楽畑の人間ですが、こうして灯台の素晴しさを 知ることができて、素敵な方々の仲間にいれてもらうことができて、たくさんの思い出を 共有することができる旅に参加できて、本当にしあわせです。

来年度も素晴らしい灯台めぐりの旅ができますように。
そしてこれをお読みになって、私も一緒にいきたいと思ってくださった方いたら、いつで も大歓迎ですのでご連絡ください。まずは様子をみる感じで灯台フォーラムにご参加さ れてはいかがですか?2015年5月30日に開催します。詳細はまた燈光の誌面に掲載し ていただこうと思っております。

それではみなさまも、素敵な灯台めぐりの旅を!

集合写真:恵山岬灯台にて


集合写真:ホテルケイプー恵風にて



written by  不動 まゆう


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