第16回 スコットランド北部の灯台巡り
    2009年9月1日(火)〜7(月)


9月1日(火)
午前9時 
成田空港第1ターミナル北ウイングは、前日から早朝にかけての台風一過とあって
溢れんばかりに、ごったがえしていた。

海外の灯台を訪ねる手作りツアー。今回は5回目を数えることになる。 
スコットランドの古い歴史と自然、その中にたつ灯台を訪ねる旅

期待に胸をふくらませて集合。
大混雑の中、顔合わせもそこそこに、私たち先発グループ7名は
ロンドン空港にむけて出発。トランジット、そしてエジンバラへの行程。
後発グループ6名は、アムステルダムからエジンバラ到着。
その後、ホテルで合流という予定。

予定では私たちのグループが一足お先に到着のはずが、
ロンドン空港での着陸に手間取り、結局、予定した乗り換えができず、
大幅に待たされたのだ。
エジンバラのホテルにたどり着いたときは、すでに夜も更けていた。

毎度のことながら、夜の、しかも初めての場所でのホテル探しは困難を極める。
ひとけはなく、さながら中世の騎士の亡霊でもでそうなゴーストタウンか、
テーマパークのような石の街をうろうろ。
「ジョージホテル」という文字と、通りに心配げに立っている先着メンバーを
ほぼ同時に発見。ほっと一安心。皆様のねぎらいの言葉をうれしく聞いたのだった。

夕食は、後発グループは評判の高いホテルのレストランでおいしく召し上がったとか。
私たちは、「どうせ着くのは遅くなって夕食にはありつけないだろうから」
という鈴木さんのアドバイスで、ヒースロー空港で購入したサンドウィッチだ。
楽しみにしていたのにガックリ・・・

9月2日(水)
さて、いよいよスコットランドの旅の始まりだ。
早朝、天気はよさそう。
4時には目がさめてしまった夫と私は、夜明けをまってさっそく街へ。
朝日が時代物の塔のてっぺんを照らす。
正面に大きな壁のようにみえていた歴史的建造物がその光に一瞬輝く。


エジンバラ市街

窓ふきの少年や道路掃除のおじさんがまだスローモーションで動いている。
赤い格子の電話ボックス、二階建てバス、背高タクシー、ここジョージホテルは
ニュータウンの、といっても二百年前も前ではあるが、中心にありどちらをむいても
歴史の深さを感じながらの散歩だった。

ホテルの英国風朝食をおいしくいただいた後、ロビーで改めてこの旅の仲間の紹介です。
鈴木敏正、ゆうこご夫妻、ナビ係、ホテル係。岡本博志さん、撮影係。
伊藤十六さん、運転係。斉藤正敏さん、会計係。玉宮孝さん、乗車割り振り係。
市村輝実さん、大石恭史、恵子ご夫妻、旅を楽しむ係。
山口義昭、一美ご夫妻、この旅の主催者、運転係、ホテル係。
そして中野昇、早苗夫妻、運転係、旅行記係。よろしくお願いしまーす。

まず徒歩にてエジンバラ城見学だ。
早朝はお天気かと思いきや、冷たい雨が降ったりやんだり。
岩山の上に建つ古城は美しいという表現はあまりふさわしくない。
しかし、くり返されたであろう戦闘、権力をめぐる陰謀、
殺戮を想像させるには十分の、石、石、石の城である。
ここから一望できる市街、その向こうにひろがるフォース湾はすばらしい。
途中スコッチウィスキーエクスペリエンスを未練たらたら横目でながめながら
ホテル前に帰ってきた。

さていよいよ次に向けて出発という時、路上の駐車スペースに停めていた我々三台の車に
なんと駐禁の張り紙があるではないか。
確かに昨日は、この場所のどこにおいてもオーケイと聞いたはずなのに。
よく聞けば昼間はよいが、夜間は有料ということだったらしい。
ホテルの人は誰も言ってくれなかったらしい。(後日泣きの涙で罰金を払ったそうだ。)

ようやく出発。
行き先は、フォース湾をまたぐ巨大鉄橋フォース鉄橋である。
ここらで我らが手作りツアーの本領発揮。
恒例になりつつある刺激的トラブル。迷子ならぬ迷車。
カーレンタルでナビを2台借りたのであるが、フォース鉄橋の住所(?)が特定できなかったため
入力ができなかったそうだ。

発車早々、第1操車が直進。
あれれと思ってる間もなく私の乗ってる第2操車のナビ係の鈴木さん、
直進じゃあなくて右折?などと言ってるうちにどんどん地図と現在地が
グチャグチャになってる模様。
後続車も、えっ!と思いつつ付いて来ざるをえない。

これは、ナビ係が必ず陥る落とし穴。
地図を見ているうちに車がどんどん進むからだ。
玉宮さんは、「今、北向きに走ってるんでしょ?」と真反対をいう始末。
結局住宅地の車上観光をたっぷり楽しんで河(湾)に出てきた。
「鉄橋はもうみなくていいネ」の暗黙の了解。
すると右手にあのフォース鉄橋が!鉄橋のすぐ横の橋を渡っていたのだ。
小雨に煙る鉄橋が後ろに飛んでいく。これで十分です。

ちなみに第1操車には自他共に認める鉄道マニア、鉄ちゃんこと岡本さん、
そしてなんと鈴木ゆうこさんもかなりの鉄子さんだそうで、お二人が同乗。
ナビに頼らなくても、ゆうこさんのリードで鉄橋になんなく着いて
思い切り写真を撮ったり楽しまれたそうだ。よかった、よかった。
その上昼食もちゃっかり食べてますと電話連絡。
それではこちらもと道路沿いの小さな町でサンドウィッチの昼食。
ようやく3台の迷える車たちも携帯電話のおかげで合流。

いよいよツアー本来の目的、灯台訪問である。
北東部アバディーンへとひた走る。玉宮さん、今こそ北に向かって走ってますよ。
横殴りの雨、強い風、急に寒さを増してきた。
これぞスコッティシュ天候か。「1日の中に1年がある

ごつごつした岩の海岸の向こうに灯台が姿を現した。
ガードルネス灯台だ。

Girdle Ness LH

白い円筒形で頭の部分は黒、その下のレンズの部分は
黒のアイアンでダイヤ型に囲ってある。
その下のバルコニーの部分は白の柵、
さらにその下は円筒を歯状に彫り込んだ様にみえる形状。
歯状の部分、窓わく、建物の上部や角の部分は、
ゴールド(あるいは芥子色)のふち飾りのようにみえるペイントが施してある。
装飾的もしくは、いかにも貴族的印象。

門を入り進んでいくと、一組の初老夫婦が狭いキッチンガーデンの手入れをしている。
別のドアから一人の若い主婦らしきヘレンと名乗る女性が出て相手をしてくれる。
敷地内の元灯台守の住処を購入、5家族がシェアして住んでいるらしい。

25年前にオートマチック化されたあと、不要になった灯台守の家の70%は
民間に譲り渡しているとのこと。
日本での海上保安庁に当たる「ノーザンライトハウスボード」が灯台を管理しており
4〜6週間に一度の割で検査にやってくる。
ここはアバディーンの町から歩いても数分の場所だけに結構なお値段だ。
彼女の家は3つの寝室を持っていて25万ポンドだったそうだ。
ヘレンさん、立ち入ったことまで答えてくれてどうもありがとう。


引き続き、ボダムの町の先の岩礁の上にたつ
ブッカンネス灯台(発音が英語読みでないので難しい)
真ん中あたりと少し上が赤い帯状に塗られている。


Buchan Ness LH

上部は先ほどみたのと同じ形態である。荒々しい岩に波がくだけちる。
敷地内は芝生が美しい。雨はやんだが強い風、ますます寒くなる。
若い男性登場。少し太ったフランクな感じだ。
日本からこの灯台を見に来たのだとわかると案内にも熱が入る。
強い海風や嵐のため塀も修復を重ねている。
入り口にある小さな橋も横に古い残骸があった。

ここの灯台守の家屋を3年前20万ポンドで購入。
自分達で1年がかりで改装。
こじんまりして素朴なイメージに出来上がっている。暖炉もある。
かつて点灯に使われた超大型電球のようなものや、
古い額などもみせてくれる。ちょっと自慢げ。

山口さんは細かい事まで質問している。ここは貸別荘として使うようだ。
料金は1週間500ポンド?800ポンド。
換算がアバウトだけど8万?13万円くらいかなあー フム フム 
別棟の改装中4ヶ月目だというのも見せてくれた。
うわあ こちらは天井も壁も床もボロボロ。
色あせたオリジナルの壁の絵がかすかにみえる。

最初にみた家はこれよりひどかったんだと彼。すごい、よくぞやった。
ここでもう一人登場、兄弟らしい。しっかりパンフレットを渡された。
それには、結婚式、誕生日、記念日、気分転換、海を眺める、
ほか思いのままに、、、とある。商売熱心?いやいやがんばってね。
山口さん、半ズボン半袖シャツの彼らに「最後の質問! 
君たちいったい寒くないの?」両手を広げた彼は「・・・? だって今は夏だよ」


今夜のねぐらのラトレイヘッドへ。
細く淋しげな一本道をひたすらガタガタ進む。もうあたりは暗くなりかけている。
車の光に驚いたラビットが右往左往、ひかないように注意。
横手の牛が放牧されている原っぱに目をこらすと
ラビットがぴょんぴょん跳ねている。それも数匹ではない、何十匹もだ。
多すぎて怖い。湖水地方のピーターラビットには会えないけど、もう充分だ。

ようやく楽しみにしていた灯台守の家がみえてきた。ひっそりしている。
着いてびっくり、あまりのすごさに皆文句を言うのも忘れている。
改装の最中らしく入り口のドアはさびついてすぐには開かない、
共同トイレのドアノブは引っ張るととれる、
シャワーの下には大工道具やペンキが積んである。笑うしかない。
かろうじてベッドルームだけは整えてある。
アドベンチャーな気分満々で眠りについたのであった。

9月3日(木)
ラトレイヘッド灯台
朝まだほんのり薄暗い。吹き飛ばされそうな強風、横殴りの雨。
灯台守の宿から歩いて、砂と草の丘を超えると海の中に浮かぶように
小さな灯台が立っている。雨にかすんで哀愁帯びてみえる。
遠浅の海のため、その浅瀬に円筒型の石の土台の上に建てられている。
明かりがついては消える。けなげにしっかりと海を見張っている。
波の寄せる音と風に吹かれる草の音、レインコートがパタパタはためく。
あの荒れた宿との相乗効果もてつだってムードは最高。
もの哀しいスコットランドの唄でもかすかに聞こえてくるかのようだ。

Rattray Head LH

それぞれ旅情あふれる灯台見物をしたあと、居間に集合。
てきぱきと山口一美さんがコーヒー、紅茶を用意してくださる。
昨日レストランで食べきれずに大量にドギーバッグしてもらったポテトやパンを
暖め直しての朝食。うん?! これが意外にもおいしい。
この状況という、そのもの以外の味付けが今日はたっぷりしてある。
玉宮サン、どうせ食べないのになんて思ってごめんなさい。

合宿気分で不思議な連帯感が生まれてくる。
この仲間の中でそれぞれの居るべき場所に安定し始めたようだ。
灯台守を父にもつ市村さんは、窓から入ってくる灯台の明かりが
子供時代を思い出させてくれてよく眠れましたとの事。
大石恵子さんの「今日の悪しき事は明日のよき事のため」の生き方。
この宿も、今日のこのよき場を提供してくれたと感謝しましょう。

今日はまず昨日、時間の都合でよれなかった灯台博物館へ向けて出発だ。
スコットランドの天気は二通りです。たてに降る雨とよこに降る雨です。
山口さんがどこかで仕入れてきたジョーク。
さしずめ今朝は横に降る雨の上天気といったところだ。

スコティッシュライトハウスミュージアム」は、グレーの大屋根に
赤いアーチの木製ドア、壁は石作りとモダンデザイン。
最大級レンズや貴重な道具、機械が展示してありビデオルーム、ショップなどがある。
ビデオを観た後出演していた元灯台守のおじさんが
隣接するキネイヘッド灯台の案内してくれる。
毛むくじゃらの指一本一本にもアルファベットの入れ墨がしてある。

この灯台はノーザンライトハウスボードが1787年最初に点灯した古い灯台である。
元々城があったこの場所にその土台を再利用して造られたもので、その合体した姿に納得。
この灯台に関わったスティーブンソン家はその後5代にもわたり数々の灯台を造ったそうである。
形や装飾が類似していると気づいたのもその理由によるものであろう。
かつて灯台守のその仕事の日課はきびしく気を抜く事も体を休める事もできない。
基本的に一人の灯台守、二人のアシスタント、そしてその家族達が一組になり
自給自足の生活をしてきたという。

1991年手動式の点灯は時代と共に終わった。
今ではこのすぐ海寄りの場所に新しく自動化された近代的灯台が役を担っている。
移動する道すがらに背丈くらいの木製の棒状のものがたくさん立っている。
その棒に色とりどりに編まれた網がかぶせてある。
地元の婦人会主催のコンテストだとか。カラフルで楽しい。


Kinnaid Head LH

雨にけむる港町をでる。やはり演歌かなー
あとは一気にグラスゴーからエアへとぬける。
最北東部から最南西部へと縦横断のドライブだ。

こちらの交通事情を一つ。右ハンドル左側通行なので運転の感覚は馴染みやすい。
だが問題は交差点がロータリー式(ラウンドアバウト)になってることだ。
とにかく左にハンドルを切り周回しながら行きたい方向へ出るという方式。
小さいラウンドアバウトはよいのだが、大きい所はその出入りの待ち位置や
周回車線の規則を把握するまでヒヤヒヤ。地元車を怒らせたこともあった。

またカーナビがたまにソフトのせいか間違った道をいう。
それに「ファーストエグジット」を「サーストエグジット」と言っているように聞こえ
「第1」か「第3」か悩む事もしばしばだったのである。

ところで昨日から感じていたのだが、景色が何処まで行っても変わらない。
なだらかな丘、牧場、小さな森、点在する家、石を積み上げた柵、
草を食む牛や羊、ロール状または箱形に束ねた牧草、この繰り返し。
スコティッシュ走馬灯。あっ!!ミステリーサークル? うそでーす。

途中トイレ休憩場所を探すため国道をはずれる。
森に入り少し行くとゴルフ場にでてきた。先頭車はまだ進む、
すると目の前に優雅な堂々たるホテルが現れたのだ。
モダンスコットランド様式とでも言おうか、車の中から垣間みるに
いかにも格式高そう。すぐにホテルマンがスマートな動作で近づいてくる。

だめでもともと、「少し休みたいのですが」「アイ」
スコットランドではイエスのこと、紳士的な笑顔である。
総勢13人のため席を用意。周りをみわたすといかにも上流社交場的雰囲気。
お茶もおいしく頂きすっかり和んだ後、一流ホテルの懐の深さをみたね、
なんて言いながら帰りぎわのこと。
ひとりが広く重厚なロビーの一角に飾ってある1枚の写真を発見。


なんとここは2005年G8サミットが行われた場所だったのだ。
小泉元首相がにこやかに写っている。名をグレンイーグルスホテル
一気に皆のテンションがあがる。
雨の中のドライブだけと思っていたのに、ナビ係さんよくやりました。
大都市グラスゴーを抜ける時間が帰宅時間と重なり大渋滞にまきこまれてしまった。
ようやくエアに着いたのは夕方遅く。

今夜の宿アランデールホテル。
山口さんはメールのやりとりですっかり親しくなったオーナーのリンダちゃんと初対面。
期待していた彼の目が点になったのは彼女のためにも聞かなかった事にする。
さっそくこじんまりした食堂でディナー。シャンペンで乾杯。
会話の楽しさも加わりリンダちゃん、もとえリンダさんの手料理もワンランクアップしたかも。

9月4日(金)
今日はこのホテルを基点にまずターンベリーへと向かう。
今年の全英オープンゴルフが開催され、あの石川遼くんも出場したことは記憶に新しい。
ゴルフ場の先にあるのがターンベリー灯台だ。


Turnberry LH

沖にはかわいい栗まんじゅうのような島が浮いている。
見慣れたところの例のゴールドのふち飾りがある灯台。
晴天、風少々強し、すばらしいロケーションだ。開放感にあふれる。
夫がゴルフ好きの友人のためスコアカードをもらってこようとクラブのショップにたちよる。
すると皆さんも次々入り、しばしショッピングタイム。
灯台はゴルフ場を歩いて突っ切らないと行けない。
自家用機のための滑走路もある。遠い。
次の予約時間が迫り残念ながら後少しを残し断念。せ
めてと岡本さんのお得意セルフタイマーの記念写真をとってもらった。

さていよいよ灯台ツアーも佳境にはいってきた。
昼食はコースウオール灯台でとる予定。楽しみだ。
スコットランド最南端にちょっと細長い宇宙人の左耳のように突き出た半島の上の部分にある。
国道を南下。先頭の伊藤車は地元っこのようにビュンビュン切れよく走る。

それにしても地元人は飛ばすねえ。F1レーサーにイギリス人が多いのは
子供の頃からこのスピードで鍛えてるせいかもしれない。
なだらかな丘、風情あふれる石の廃屋、石の柵、所々のちいさな集落、牛と羊、
やがて 草原のむこうに小さく見え隠れしていた灯台がようやく近づいてきた。
なかなかの距離だ。


Corsewall LH

例により白地にゴールドのふち飾り。
元灯台守の家がホテルになっていて小さなお城のようにもみえる。
中に入ると狭いながらも素敵なインテリア。
青い絨毯は灯台がかわいく織り込んである。
テーブルセッティングも美しい。料理もおしゃれ。
星のついてるホテルだけのことはある。
だけど時間の都合で大急ぎで食事。デザートもお茶もカット。
ゆっくりしたかったなあ・・・

次は宇宙人の耳の耳たぶの所。
一番下のムルオブギャロウェイ灯台だ。


Mull of Galloway

土日以外は休みのところ、わざわざ我々のために開けて待っていてくれていたのだ。
遅れて到着した私たちを気持ちよく出迎えてくれ、さっそく案内された。
高さ26メートルの外観はやはり同じくゴールドのツートンカラー。
スコットランド灯台のほとんどを建てたというあのスティーブンソン一族によるものである。

最上部まで長い螺旋階段を登る。皆さん健脚だ。
360度すばらしい景観である。ぶつかりあう海流。
草原のトレイをのせた岩の海岸線。
西の海の向こうにうっすらかすんでみえるのがアイルランド。南にマン島。
条件のよい日は東にイングランドが見えるそうだ。

115段の階段をみごと登りましたという修了証をもらう。
ここでも自給自足の厳しい生活をしてきた灯台守の家は不要になり
コテージや資料館に変わっている。
斉藤さんはここでも日本の灯台の行く末を考え資料集めに余念がないようだ。
今では使われていない霧笛の音がモニターテレビから本物さながら聞こえてきた。

さて今夜は服装を整えてあのターンベリーホテルでのディナーである。
夕日に照らされた灯台が臨めるオーシャンビューの席を用意していただく。
豪奢かつエレガント。
同じテーブルについた大石ご夫妻は、失礼ながらなかなかの健たん家でいらっしゃる。
しかも楽しげに美しく召し上がる。会話の引き出しもたくさんお持ちだ。
メニューが難解で予想外の料理もあったりしたが優雅な気分は満足。
夜のとばりはゆっくり降りてくる。

リンダさんのホテルに帰って有志達は飲み会。
そのあと、だれかさんが裸同然のまま別室のシャワー室へ出たのはよいが、
部屋に鍵をおいたままだった。閉め出しをくらった彼のオロオロ気分はいかに。
そのあとの事はおして知るべし。これから寝ようとしたリンダおばさんの顔もしかり。

9月5日(土)
今日はグラスゴーでサッカーの決勝戦があるので混雑するだろうとの情報。
早めに出発する事に決定。

「あなた達、二日間来たかと思えば急いで出て行って、
帰ったらまた急いで行って、、、、、急いで、、急いで、、」
とリンダさんが目をくるくるまわしてみせる。
想像するにこう言ってたのだと思うのだが、
そうです、これぞ我らがハードアドベンチャーツアーなのだ。
リンダさんと玉宮さん、熱く抱擁をかわしサヨウナラ。

エア駅周辺を少し見学。
自転車を持ち込み、電車にのれるのはうれしい設備だ。
それでホームがフラットなのだ、なるほど。

エジンバラ方面に出発。
通り沿いの小さな町のパブ兼食堂でお昼。
うわさに違わず、こちらの地元料理はおいしくない。
味がついてないというのか、なんというのか。
じゃがいもは何処でもたっぷりでてきて食べきれない。

ここで伝統のキルトファッションの全てがそろう仕立て屋さんをみつけ
おみやげを購入する。

再び走り出す。ここだ、目標の緑の木の塀がある。
スコットランド最後の宿、ライムフィールドエステイトに到着。
森の中、大きな木がうっそうとのびている。傍の小川の水音がうれしい。
農業研修の滞在者か?大型の農機が何台も停めてある。
居残り組と出かけ組に別れ、再びエジンバラの市街へむかう。

雨がやんできた。土曜日とあってすごい人ごみだ。
あのハリーポッターの作者がここで執筆したという「エレファントレストラン」や、
駅、デパート見学。大道芸人や似顔絵描き、チェロを弾いている人もいる。
これで街の一日の顔をすべて観たことになるわけだ。

夜、このツアー最後の晩餐、13名(!)は、近くの町へ。
ザ、ブリッジイン。イタリアンレストランだ。
もうあたりは暮れかかっている。
店の横には古い石造りの橋、下には運河が流れる。
観光の赤や緑のボートが接岸してある、ちょっとした散策もできる公園もある。
こんな素敵な場所ならもっと早く来て楽しめばよかった、といっても詮無いこと。

旅の疲れも少々たまってきたのか、ご自分が何を注文したのか忘れた人約二人。
どうやら間違って食べたみたい。
デザートは今夜のサプライズのため用意されたバースデイケーキだ。
市村さん、喜寿のお誕生日おめでとうございます。

お開きの前、会計係の斉藤さんの奮闘を待ち清算。ごくろうさま。
明日の早朝また二手に分かれて帰途につくので、ここでお別れのご挨拶。
皆様、ご一緒できてありがとうございました。
こんな刺激がくせになった方々、またお会いするのを楽しみにしています。

9月6日(日)発 9月7日(月)着

・・・一足早い帰国のはずが、空港でまたもや先発組は
一搭乗者の時間トラブルがあり遅れて出発。
成田空港で後発組と会ってしまった。
しかもお一人のかばんが到着していない。ヌッ! ヌッ! 
後日自宅に無事届けられた由。まずはメデタシメデタシ。

思い返すに全走行距離1300キロのドライブだった。
スコットランドは地図で見てイメージしていたのよりずっとずっと大きく広かった。


written by 京都市在住 中野早苗


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